都倉選手の完全移籍による喪失感の正体

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都倉選手のセレッソ大阪への完全移籍が公式に発表されました。

明らかに、他の選手の退団とは異質の喪失感があります。

なぜだろう。

FWというポジションの特性上、ゴールという分かりやすい結果で見せてくれたぶん、印象に残っているプレーは多い。

でもプレーだけについて言えば、他の選手にだってたくさんの思い出深いプレーがあるわけです。

でも、都倉選手の退団には、他の選手とは違うなにかを感じるのです。

たどり着いた理由のひとつは、「彼のソーシャルでの発信によって、サポーター(僕)との距離が異常に近かったこと」にあるのではないか? ということです。

そして、今後は「札幌のための発信がもう見られない」ということが他の選手になかった部分で、それが大きな喪失感のひとつではないかと。

都倉選手のソーシャル活用

たとえば他の選手の退団に対して思うことは、

・ウッチーの千葉戦のゴール最高だった
・ヘイスはフリーキックもうまかった
・残念そこは増川だ

とプレーを反芻をするのに対して、

都倉選手の場合、プレーの反芻に加えて、

・あのオサレな家はどうするの
・ラジオどうするんだろう
・娘さん生まれたばかりだよな
・ワイナリー計画無かった?

など、ずいぶんとプライベートなことまで頭に浮かんできます。
(彼の場合は思い出すプレーも強烈ですが。笑)

これらの情報は、彼のSNSでの発信から得たものです。

そして、たくさんのサポーターが、彼のプライベートな事柄に言及しているツイートをたくさん見かけました。

その発信の中で札幌愛を語ってくれていたからこそ、「都倉はこう言ってたのに移籍するのか! 裏切りだ!」というツイートをする人も出て来たのではないかと。

こういう声が出てくること自体、都倉選手のソーシャル運用が、ハマっていた証拠になるのではないかと思います。

 

彼はソーシャルの使い方が、抜群にうまかったと思います。

プロからしか見えない風景を、彼の目線でリアルタイムに近い形で情報提供してくれたことは、すごく価値があることだと感じていました。

本人の本当の性格は分からないけど、ここから透けて見える人間性はなかなか隠せないものだと思います。
そのような「人間性」を見せてくれることで、勝手に距離が縮まっていたのだと僕は思います。

面と向かって会ったことはないので、彼のファンに対する対応などはわかりませんが、ソーシャル上の見せ方は抜群に成功していたと思います。

現に僕は、ソーシャルを通して人間性が見えてくることで、彼のファンになってしまったし、そういう人も多いのでは?

そして、今後はセレッソ一色の発信になってしまうことが分かっているので、なんとも言えない元カレ感を感じてしまうのでしょう。私(札幌)のことをあんなに好きって言ってくれたのに! みたいな。笑。

プロ選手のイメージ戦略

裏返すと、都倉選手がソーシャルを活用してここまでの存在感を出せたということは、もろちん他の選手にだってできることだと思います。

札幌の他の選手もどんどん発信することで、特別な想いを持って応援してくれるサポーターが増えるのではないでしょうか。

発言多めで楽しいなーと思うのは、ジェイ、駒井、チャナくらいかな?

心無いコメントや炎上など、理不尽な事柄を受け止めなければならないことも多いと思います。

そのリスクを考えても、プロという立場での発信は、特別な信頼を勝ち得ることができると思います。

プロというだけで、たくさんのフォロワーを獲得できる立場にあるのに、それを利用しない手はありません。

あまり発言しない選手でも、フォロワーは軒並み1万人前後。

たとえば福森選手(今年6ツイート)や荒野選手(今年14回ツイート)はフォロワー1万人超え。進藤選手(今年9回ツイート)は6,500人超え。
(Twitterのみの言及でごめんなさい)

やっぱりプロの発言って特別なんだよね。

サッカー選手なんだから全ては試合で表現すれば良いという時代ではなく、プライベートも含めてファンを獲得して自分自身の価値を高めていくことで、記憶に残る選手になれるのではないかなと思います。

少なくとも都倉選手に対しては、完全に記憶に残る選手になりました。

きっと彼はこのまま発信を続けて、セレッソサポーターの信頼を勝ち取っていくと思います。

もちろんプレーで見せることが大前提ですが、プレーとソーシャルを組み合わせた時の、イメージの相乗効果たるや抜群だと思います。

まとめ!

なんだか長くなってしまいましたが、「プレー+ソーシャル活用」で記憶に残る選手がいなくなってしまうのがとても残念、というのが僕のひとつの結論です。

ほかの選手にはない、新しい楽しみ方を提供してくれた選手だったと思います。

ありがとう都倉選手。
今後のプレーもそうですが、プロサッカー選手の彼の人生をウォッチしていきたいと思いますし、応援していきたいと思います。

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