福岡市科学館で開催されている、田中達也さんの展示会を見てきました。
田中達也さんといえば、いろんな文房具やキッチン用品、食品サンプルなどを「なにか」に見たてて世界を構築する、「ミニチュア見立て作家」さんです。
有名なところでは、NHK朝の連ドラ「ひよっこ」のタイトルで使われた、街の造作でしょうか。
その田中さんの作品をたっぷり堪能できる展示会です。
写真撮影OKだったので、写真多めでご紹介します。
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展示会の様子
場所は六本松421の福岡市科学館です。
企画の正式名称はこちら。
『「MINIATURE LIFE展」-田中達也 見立ての世界-』
この展示会、写真撮影OKです。
最近、写真撮影OKの展示会が増えている気がしますが、良いですね。
展示詳細
大きなキャンバスにプリントされた作品が、壁にずらっと展示されています。
どれも身近にあるモノを使ってつくった世界なのですが、素朴さも相まって、安心感のある作品、そして、どれも粋なのですねえ。
多くの人が子供の頃、何かを何かに見立てて遊んだことがあると思いますが、まさにそれの延長。
できあがったものは素朴なだけに簡単そうに見えるし、アイデアは大なり小なり、誰でも思いつきそう(といったら失礼だけど)なものだけど、それをやり切るスタンス、続ける根気、構築するクオリティ、作品まで持っていく執念、これは真似できるものではないんだろうなあ。
各作品には、必ずニヤッとできるダジャレのタイトルが付けられています。
田中さんもオヤジギャグが好きな人なんだろうなあと思うと、急に距離が近くなる気がしますね。

どこかのアートディレクターさんが「ダジャレはクリエイティブ」と表現していました。まさにそれを体現した作品群でもあります。笑。
また、作品によっては、実際に田中さんが組んだミニチュアが写真と一緒に展示されているものもあります。田中さんが撮影した作品と並べて見られるのが興味深すぎる。
そこで感じるのは田中さんの写真の抜群のうまさ。
ぱっと見、ただ置いただけのように見えるミニチュアも、こだわって撮影するとここまでの表現になるんだ…と感動。なまっぽく置いてあるだけのものより、写真になった方が何倍も良い。
作品はどれも、ダジャレや面白さがイメージとして先行するけど、大胆に見えて細かな作業を重ねていく根気が必要だと感じました。きっと、思いついたは良いけど、実際やってみるとイマイチ…みたいなボツ作品もたくさんあるんだろうなあ。
個人的なお気に入りのひとつはこちら(↓)。
畳を田んぼの稲穂に見立てた作品。美しすぎる! 数ある作品の中でも抜群に哀愁を感じるアイデアではないでしょうか。
実際に撮影したセットも展示されていました。これがこうなるんだなあ。感動。
そして、優勝はこれかなあ(↓)。
柴犬をスフィンクスに見立てるという。笑。いや、犬じゃん!
犬なんだけど、足の細かな角度とか、顔の位置とか、絶妙なところを狙ったんだろうなあと、撮影風景を思い浮かべるとニヤニヤしてしまいます。すごい。スフィンクスに見えてくるもんね。
会場のいたるところに、直筆のコメントやスケッチが置いてあるところも粋です。このようなワンポイントも、会場の柔らかい雰囲気づくりに一役買っているのでしょうね。
出口付近には、たくさんのグッズが販売中。
図録はもちろん、作品集、作品をカレンダーのメインビジュアルに据えたカレンダー、缶バッチ、クリアファイルなどなど。
田中さんの作るビジュアルは、このような小物や文房具とも相性がよいですね。飛ぶように売れていました。
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おわりに
どことなく緩んだ空気が流れる、なんとも不思議な空気感のある展示会でした。
作品の醸し出す世界観が、そのような空気を作るのだと思います。みんな笑顔で写真撮ってましたしね。
久しぶりに良いものを見たなあ。
現在、日本各地を巡回中のようです。
ぜひ機会を作って行ってみてください。おすすめの展示会です。
▼MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界
http://miniature-calendar.com/exhibition/
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また、田中さんの公式サイトには、ミニチュアの作品が「毎日」アップされます。
ここまで集まると圧巻です。続けることの大事さを教えてくれます。
▼田中さんの公式サイト「ミニチュアカレンダー」
http://miniature-calendar.com/
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